ネイリストの世界では「ガラス製の爪やすり」って、正直、話題にも上らない。
だけど、一般的には爪やすりの中で結構なシェアを占めて…ますよね?(かくいう私もネイリストになる前にガラス製買ったことあるんだな…)
そんなわけで今回は、ネイリスト的目線でガラス製爪やすりのデメリットを話しつつ、それを上回る魅力って何かいな?という話をしていきます。
この記事を読めば
- ガラス製爪やすりのデメリット(と魅力)
- 自分に合った爪やすりの選び方
- 他の材質(紙製・ステンレスなど)とガラス製との比較
がわかります。ガラス製爪やすりのデメリットは、一生ものと言われつつたいてい一生ものにならないことと、扱いにくさです。魅力は「見た目」。他の材質とも比較して、魅力がデメリットを上回るならガラス製爪やすりを選びましょう。
そもそも爪やすり(ネイルファイル)は4種類ある
ネイリストは4種類ある爪やすりを用途によって使い分けていて、爪やすりではなく「ネイルファイル」と呼びます。ガラス製爪やすりはエメリーボードに該当することが多いのではないかな。自爪の長さを短くしたり、整えたりする時に使うということです。
ネイリストは材質と明確なグリット数で使い分ける
長さや形を整えるネイルファイルは紙製の硬さがあるものを使い、表面を整える時はスポンジが挟まった爪にフィットするやわらかい材質を選びます。ネイルファイルは材質だけでなく、粗さ(グリット数)も明記されています。粗いものほどよく削れるし、細かなものほどやわらかく削れます。
ネイリストは材質×粗さ(グリット数)で用途に合ったネイルファイルを選ぶことで、爪へのダメージを最小限に美しく仕上げていきます。
たとえば…
- 爪が薄い場合は、紙製×200グリットの粗さのエメリーボードで爪の長さと形を整える
- 爪が普通の厚さなら、紙製×180グリットの粗さのエメリーボードで爪の長さと形を整える
- 爪の表面をツヤツヤにするなら、スポンジ素材×4000グリットの粗さのバッファでつやを出す
プロ用のネイルファイルではない場合、グリット数が記載されていないことがあります。その場合は使う時注意が必要です。思っていたより目が粗くて、削れすぎて爪が割れてしまったり、薄くなってしまったりすることがあります。
》ネイルファイルの粗さ100/180どっち使う?!ネイリストが画像付きでめっちゃ丁寧に解説
ガラス製爪やすりは購入時に用途を確認する
ガラス製爪やすりはグリット数が記載されていないことが多いため、購入時に用途をしっかり確認しておく必要があります。エメリーボードの役割(自爪の長さと形を整える)を持つものが多いです。商品によっては爪表面をツヤツヤにするシャイナーの役割を持つガラス製爪やすりもあります。
シャイナーの役割を持つガラス製爪やすりで爪を削ろうとするとものすごく時間がかかるし、爪の長さを整えるガラス製爪やすりで爪の表面をシャリシャリしてしまうと爪が薄くなってトラブルにつながってしまいます。
ガラス製爪やすりのデメリット:おすすめしない理由を特徴から考えてみる
ガラス製爪やすりの特徴をまとめました。
特徴 | メリット | デメリット |
ガラスで作られている | お手入れしやすい 見た目が美しい | 割れやすい 欠けやすい |
摩耗しにくい | 長く使える | ちょうどいい削れ具合になりにくい |
硬い | 良く削れる | 削れすぎる 削りムラができやすい |
特徴1.ガラスで作られている
ガラス製であることの魅力は手入れのしやすさと、なんといっても「見た目」。見た目という魅力はいろんな材質がある中でずば抜けているんじゃないかなと思います。
ガラス製は半永久的に使えると言われがちですが、そこはあくまでもガラス。落としたら割れるし、乱暴に扱えば欠けます。力を入れすぎても割れることがあるため力の強い男性は注意が必要です。「丁寧な暮らし」にこそガラス製爪やすりはぴったりです。
手入れのしやすさも魅力ですが、私的にはプロ用の紙製エメリーボードと同じくらい。プロ用の紙製エメリーボードは普通に水で洗っても使えます。
● エメリーボードを洗浄する時のポイント
長時間水に漬けないこと、5秒~10秒くらいの水洗いで終わらすこと(流水でサッと流してブラシでこする)がポイントです。
特徴2.摩耗しにくい
ガラス製爪やすりが半永久的に使えると言われる理由は「摩耗しにくさ」にあります。爪の長さ形を整える爪やすりなら大きなメリットですが、爪表面に使う場合は注意が必要です。ずっと新品と同じ削れ具合なので、削りすぎには毎回注意する必要があります。
● プロ用の紙製のエメリーボードの持ちは半年~1年
セルフネイルの場合ネイルサロンとは使用頻度がまったく異なるため、持ちも違います。私の夫のケースを参考までに載せておきます。
<参考> 夫の場合
■ ハンド(1年くらい使用)
・週1くらい、こまめに削るタイプ
・爪は薄め
・エメリーボード使用■ フット(4か月で摩耗)
・2~3週間に一回削る
・爪は親指のみぶ厚い
・エメリーボード使用
安価なネイルファイルだと、1回のお手入れで摩耗して使えなくなってしまうことも多いです(文字通り「使い捨て」という感じ)。ネイルファイルはプロ用でもそれほど高くないため、購入するならプロ用がおすすめです。
特徴3.硬い
ガラス製爪やすりはかたいため、少しの力ですごく削れます。紙製エメリーボードは「しなり」があるため力が分散されて削りすぎることがあまり無いですが、ガラス製は注意が必要です。ネイルケア初心者さんの場合、手に力が入ってしまうことが多いです。削りすぎ、こすりすぎで爪がもろく薄くならないよう気を付けてください。
ポンジバッファはスポンジが爪にフィットするため削りムラがでませんが、爪表面にガラス製爪やすりを使う時は、硬いがゆえに爪表面をムラなく磨くのが難しいです。ゆっくり丁寧に目視しながら磨いていく必要があります。
自分に合った爪やすりの選び方(ガラス製?紙製?ステンレス?)
ネイルケア初心者さんに向けて爪やすりの特徴をまとめると下記のとおりです。
紙製は他と比べてしまうと耐久性が低いですがセルフネイル程度の使用頻度であれば半年~1年ほど持ちます。扱いやすさがダントツなので、ネイルケア初心者さんには一番おすすめです。
ガラス製は見た目がもっともオシャレですが、丁寧に扱わないと割れてしまうことと、削りすぎに注意が必要なため、扱いにくいです。
ステンレス製・ダイヤモンド加工しているものは、見た目の評価は人による(スタイリッシュな見た目)かなと思います。ガラス製と同様に削れすぎに注意が必要で、初心者さんには扱いにくいです。
- 価格が安く扱いやすいものでまず練習したい、ケガのリスクは減らしたいと考えるなら、紙製のエメリーボードがおすすめです。
- 見た目重視ならガラス製がおすすめです。
- スタイリッシュな見た目と、耐久性を重視したい(でも破損はイヤ)ならステンレス製を選ぶのがおすすめです。
》ネイルファイルってどこに売ってる?しっかり削れるネイルファイルは〇〇で買おう
紙製のおすすめ爪やすり
プロ用のエメリーボードで使いやすさと見た目の可愛さを兼ね備えているのはプリジェルのエメリーボード(爪の長さと形を整える)です。
下記はベーシックなエメリーボード。ココイストはプロメーカーです。
爪表面をツヤツヤにしたいなら下記がおすすめ。職場でも使ってます。
もっといろんな種類から選びたい方は下記記事で丁寧に解説しています。
》ネイリストが選ぶ!初心者向けネイルファイルの種類とおすすめはコレ
ガラス製のおすすめ爪やすり
ガラス製爪やすりを選ぶときのポイントは、やすり部分が本体と一体化している、ガラスを加工したものであるか?です。粗悪品の場合、やすりをガラス本体に張り付けただけの場合があります。
やすりを貼り付けただけだと、ガラス製爪やすりの「耐久性」「持ち」というメリットが無くなる(すぐ削れなくなる)ため、選ばないようにしましょう。おすすめのガラス製爪やすりは下記です。
スワロフスキーが付いた、プレゼンにもピッタリなおしゃんガラス製爪やすりもあります。
ガラス製爪やすりはネイルのプロメーカーのものは見当たりません(需要がない)。ガラスの本場チェコ製のものが有名です。特に上記で紹介しているブラジェクはガラス製爪やすりで人気なブランドです。
ステンレス製のおすすめ爪やすり
ステンレスでおすすめなのは、ビューティーネイラー(プロメーカー)です。
スワダもおすすめです。スワダはネイルニッパー(爪切り)で一躍有名になった日本のブランドです。私はネイルニッパー2つ持ってます。
ダイヤモンド加工のおすすめ爪やすり
ダイヤモンド加工のネイルファイルは価格が上がりますが耐久性と削れやすさが良いです(しょしんしゃさんは削りすぎ注意です)。
おすすめは下記です。
「見た目」という魅力はすべてのデメリットを上回るときがある
ネイリスト的に1番おすすめなのは次のとおりです。
- 自爪を削るなら、紙製エメリーボード
- 爪表面をツヤツヤにしたいならスポンジ製のシャイナー
とはいえ、「見た目」が重要な時ってありますよね。自分のお手入れをして癒されたい時とか、外出先で使うかも…みたいな時とか。そんな時、紙製だと「気分上がんないんだわ」という感じです。
外で紙製のエメリーボード使ってたらなんとなく「家でやったら…?」ってなるし。ガラス製なら許される気がする。なんとなく。
だから、セルフネイルなら扱いやすさや価格だけじゃなく、気分によって使い分けてもいいのかなーなんて思ったりもします。
材質比較:ネイリストがガラス製爪ネイルファイルを使わない理由
ネイリストが紙製のエメリーボードで爪をととのえたり、スポンジ製のシャイナーで艶を出すことが多い理由は以下のとおりです。
ガラス製はなんといっても割れるリスクがイヤすぎる
ネイリストがガラス製爪やすり使わない理由は「割れるから」という理由が大きいです。知らないうちに欠けていて、それがたまたまお客様に当たってケガにつながってしまうリスクを考えるとガラス製は選択肢に入ってきません。
扱いに「丁寧さ」が求められるのもイマイチです。お客様への施術は丁寧である必要がありますが、それ以外のところではスピーディーさが求められます。いちいち気を遣わないといけないガラスという材質はネイリスからするとデメリットが大きいかなという感じです。
ステンレスやダイヤモンド加工されたネイルファイルは「ちょうどいい」になるまで手間暇がかかる
ステンレスやダイヤモンド加工をされたネイルファイルを使うネイリストは一定数います。ガラス製と違い、穏やかに摩耗していきますが持ちは良いです。
ただ、削れすぎとしなりの無さ(ガラス製の特徴と同じ)を嫌って使わないネイリストが多いです。ステンレスなどのネイルファイルを使う場合はあえて他のもので削ってちょうどいい具合まで摩耗させることもあります。
紙製は力の入れ具合で操作しやすく、スポンジは爪にフィットするメリットが大きすぎる
技術があればこそですが、紙製のエメリーボードはしなりと力の入れ具合で削り具合をコントロールしやすいです。ネイルサロンで使用する場合は衛生管理のしやすさ(使い捨てできる)も魅力になることが多いです。
ネイリストの場合、爪表面をサンディングやバフィングするときに硬さのあるネイルファイルでやるなんて発想すらしないんじゃないかな。考えただけでリスクが浮かんでギョッとするネイリストも多いはずです。
4種類もあって(グリットもあわせるともっとですが)使い分けが大変なようにも見えますが、安全性とクオリティと使い勝手を総合的に考えると、ネイリストの世界では紙製やスポンジ製が万人受けするわけです。
おわりに プロがガラス製爪やすりをおすすめしない理由:デメリットと魅力【ネイルファイルの選び方】
自爪の長さや形を整える時に使う爪やすりは、プロと一般の方で、メジャーな材質がまったく異なります。
- プロ:紙製・スポンジ製がメジャー
- 一般の方:ガラス製・ステンレスがメジャー
紙製のエメリーボードがネイリストの世界では一番メジャーだなんて、知らなかった方も多いのではないかな?と思います。ステンレスとかの方が本気っぽい感じするしね。
マニキュアやジェルネイルをする時のネイル道具もプロの目線で紹介しています。
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